国際教育
TEH, Huijia
TEH, Huijia
代表業績
– Teh, H. (2024). Rationales and factors influencing universities’ engagement with sustainability: an exploration of two Malaysian universities from stakeholders’ perspectives. Journal of Contemporary East Asia Studies, 13(1), 192–217.
https://doi.org/10.1080/24761028.2025.2471624
– Accepted, awaiting production: Teh, H. (2025) “Culture, Faith and Tradition as a Catalyst for Local Revitalisation: Insights from the Ise and Japan Study Programme”, International Journal of Comparative Education and Development
専攻分野
高等教育のグローバルガバナンス、持続可能性
目指す研究者像
私は、自らの立場性(ポジショナリティ)と特権を認識し、また、自身の複数のアイデンティティがこれまでの人生経験を通じてどのように形成されてきたのかを理解することで、それらが研究への考え方、取り組み方、そして実践にいかに影響を及ぼしているかを省察できる、自己省察的な研究者でありたいと考えています。
次に、私は研究を通じて多様な「知のあり方」や「存在のあり方」を学び、体現するこ
とを志向しています。すなわち、複数の認識論(エピステモロジー)と存在論(オント
ロジー)を包摂的に受け入れる姿勢を持ちたいと考えています。多様な知識の担い手、実践者、そして長老たちから学び、地域的・先住的・グローバルな知を統合することを通じて、将来的には、学術的知の生産における覇権構造を問い直し、それを解体しようとする声に加わり、知の創出をより公正で平等なものにしていく一助となりたいと願っています。
研究テーマ紹介
本研究は、持続可能な開発目標(SDGs)の事例を通して、マレーシアの高等教育機関がいかにしてグローバル・ガバナンスと関わりながらサステナビリティへの取り組みを展開しているのかに焦点を当てるものである。本研究では、大学がグローバル、ナショナル、ローカルといった複数の場域に同時に位置づけられながら、グローバル・ガバナンスへの関与を通してその
アイデンティティと役割をどのように変容させているのかを検討する。
より広い視座から見れば、SDGs に代表されるグローバルなサステナビリティ・アジェンダは、開発と公平性、経済成長と生態系、グローバルな規範とローカルな現実の分断を架橋しようとする志向を体現している。この観点から、大学のサステナビリティへの関与は、外部からのグローバルな期待と国内の社会文化的・認識論的文脈との調和を図る「和解(reconciliation)」の過程として理解することができる。
植民地支配の歴史、多文化的アイデンティティ、そしてグローバル規範の受容といった交差点に位置するマレーシアの大学は、普遍的なサステナビリティ言説と地域的な知の体系との間で交渉を行いながら、一種の認識論的和解を体現していると言える。
信仰やスピリチュアリティはグローバル・アジェンダの中では明示的に扱われていないものの、マレーシアの文脈においては重要な要素として前景化されており、グローバルなサステナビリティ規範のローカル化とどのように相互作用するのかを探究する必要がある。このような枠組みを通して、本研究は、大学が単にサステナビリティを採用する主体ではなく、グローバル・ガバナンスの理念と地域に根ざした価値・実践を調和させようとするより包摂的で対話的なグローバル・ローカル関与のビジョンを模索する場であることを明らかにする。