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Strait Talk Okinawa December 2025 が開催されました

文責:池上慶徳

(引用画像:Peace in Action, 2026

2025年12月、沖縄において国際対話イベント Strait Talk Okinawa December 2025 が開催されました。ストレート・トーク(海峡対話)とは、「二〇〇五年に米国ロードアイランド州ブラウン大学の学生有志によって設立された台湾、中国本土、米国の三者を結ぶ対話プロジェクト」です(新井, 2021, p.206)。ここでは、「中立なファシリテーターのもと」、「紛争によって分断された社会の構成員が私人の資格で対話」に参加する双方向的対話による紛争解決(Interactive Conflict Resolution: ICR)が採用され、台湾海峡をめぐる異なる認識について、青年間の対話を促進しています。

新井立志先生は、本企画に長年ファシリテーターとしてご活躍されています。新井先生は和解学叢書1第6章『東アジアにおける紛争解決と歴史和解』の著者でもあり、これまでの和解学研究の発展に寄与してきた研究者です。当論文において、多次元外交(multi-track diplomacy)の重要性を指摘しています。また、ストレート・トークを「トラック2.5」の市民外交に位置付け、草の根レベルのみならず、トラック2(国内外に影響力を持つ市民社会のリーダー)にも資することを述べています。新井先生は「トラック2.5」としてのストレート・トークについて、以下のように述べています。

“ストレート・トークはすでに社会的地位を確立したリーダーを招聘するのではなく、将来のリーダーとしての潜在的資質を持つと思われる青年を集めて行われる。したがってストレート・トークの成功不成功を分ける基準は、一人ひとりの参加者がいかに質の高い学習体験を積むことができたか、そして能力開発を達成できたかという点に置かれる。ここにいう能力開発とは、紛争の原因を多角的分析的に理解し紛争を創造的非暴力的に解決するために必要な思考法、対話プロセス、共感性を培う作業である。さらに学習、能力開発と同様に重要な評価の基準は、いかに人間関係の構築に貢献できたかである。すなわちストレート・トークがどれほど台湾海峡における平和構築に関心を持つ志の高い青年を集め、率直な対話と人間交流の場を提供し、対話終了後も継続的に意見交換をサポートするネットワークを作ることに成功したかという点である。 ”  (新井, 2021, pp.210-211)

歴史的記憶は固定されたものではなく、常に変容し得るものです。だからこそ、このような直接的な接触を伴う「対話」は、歴史認識に起因する諸問題に取り組むうえで、重要な意義を有すると考えられます。参加者が本対話を通じて培った能力や多様な視点、さらには形成されたネットワークは、長期的な集団間関係の醸成に寄与することが期待されます。そして、そのような対話的実践を経験した次世代のリーダーたちによって牽引される東アジアの将来が拓かれていくことを、願ってやみません。

本シンポジウムの様子は、以下の動画よりご覧いただけます。

参考文献:
新井立志 (2021) 「東アジアにおける紛争解決と歴史和解」浅野豊美 編『和解学の試み — 記憶・感情・価値』(pp.196-243)明石書店