文責:池上慶徳
国民は、近代以降に想像されるようになった政治的共同体である。企業や夫婦関係など、当事者の自発的な意思を基礎とする社会関係に比して、一定の強制性を内包し、強い法的拘束力と政治性を帯びている点に、その特徴がある。浅野豊美教授による講義「外交そして民主主義の根底にあるもの — 想像の共同体としての国民と四つの開国」は、近現代の政治を、公益を適切に選び出す営みとして捉え、その担い手である国民と主権国家を歴史的に考察するものである。
本講義は、公益をめぐる見解の相違から、その選択の手続きへ、さらに選択を担う国民の歴史的な形成へと問いを深める。この視点は、民主主義を制度の仕組みにとどまらず、それを支える共同体のあり方から理解するための入口となる。題に掲げられた「想像の共同体としての国民」は、外交と民主主義の根底にある主体を問い直し、主権国家を歴史のなかに位置付けるための重要な論点といえよう。
講義の全容については、こちらのリンクから視聴できる。