メンバー

Members

和解学を共に研究するメンバーたちです。

安全保障と人権研究協力者

田中 聡

Satoshi Tanaka

No Image

北九州大学 テニュア

業績

  • “Power Sharing and Patronage Ethnic Politics: The Political Economy of Ethnic Party Dominance in the Dayton Bosnia,” OSIPP Discussion Paper DP-2020-E005, 2020.
  • In the Shadow of Power Sharing: Patronage Politics and Ethnic Party Dominance in Post-Dayton Bosnia, 博士論文, 大阪大学, 2020.
  • Research map: https://researchmap.jp/sa-tanaka

専攻分野

政治学、平和紛争論、旧ユーゴスラヴィア

目指す研究者像

多様な研究手法を目的に応じて適切に使い分けながら、分析対象の理解へと接近できる研究者になりたいと考えています。人々の取る政治行動を理解する上で、フィールド調査を通して現地社会の人々と継続的に接することにより、そこに暮らす人々の日常生活の地平から政治現象を見る視座を養いたいと考えています。そのようにして得た仮説を質的・量的なデータを効果的に組み合わせて検証することで、紛争/和解という複雑な社会的要素が複雑に絡み合う社会現象の理解に少しでも迫っていけるような研究者になりたいと考えています。

研究テーマ

「なぜボスニア・ヘルツェゴヴィナにおいて急進的な民族主義を掲げる民族政党が人々から支持を集めるのか」を問いに研究を行っています。紛争終結から30年近くが経つボスニアでは、現在に至るまで民族政党が政治の場を席巻し続け、民族間での協調を互いに拒み続けています。私の研究では、それら民族政党が支持を集める背景を人々の「民族的アイデンティティ」からではなく、「クライエンテリズム」、すなわち民族政党による物質的な利益分配に着目して説明を試みています。例えば、政府の予算配分や各地方都市の産業構造等が人々の民族政党への支持にどのような影響を及ぼすのかなどの分析を行うことで、民族政党支持の政治経済的側面に着目しています。それにより、政治経済学の観点から平和構築の諸政策が紛争後社会にもたらす影響を分析しています。

ワーキング・ペーパーの仮題

Local Agency for Peacebuilding in Bosnia and Herzegovina